年末調整雑感 源泉徴収票を大切にすることは、自分の人生を大切にすること
12月も後半に入りましたね。
例年のごとく年末調整事務にいそしんでおります。

毎年この時期になると、顧問先さんの役員さんや従業員さんの1年間の収入、扶養家族、入っている保険などを確認する作業をいたします。そうすると、仕事をしながらいろいろな思いが浮かんでくるのです。
扶養控除等申告書から見えてくる
サラリーマンの皆さんはお分かりになると思いますが。「扶養控除等申告書」を毎年勤務先にご提出されますよね。ご自身の住所や扶養家族の氏名等を書く書類です。
それを拝見しますとね
◆ご高齢の親御さんがいらっしゃって大変だなあ
◆このご家族には今年赤ちゃんが生まれたのね! おめでたいな。
◆シングルマザーがんばってほしいなあ(私もシングルマザーだしね 汗)
など、ついつい仕事をしながら思い入れが入ってしまうのです。
1人として同じ人間模様はなく、皆さんそれぞれに人生を歩んでおられる。その糧である「お給料の数字」を扱うものとして、身の引き締まる思いで仕事をしています。
保険料等申告書から見えてくる
今度は、加入されている生命保険や地震保険の控除証明書を確認します。そうすると
◆ 保険に全然入っていない方
◆ 逆に、いろいろな契約に入っておられる方
本当に千差万別です。保険に対する考え方も、まちまちだなあと感じます。(いいとか悪いとかではないです。)
1年間のお金の流れを把握しよう
サラリーマンの方は、毎月の給与から天引きで所得税・住民税・健康保険・年金が控除されております。「年末調整」とはその年の所得税を確定する業務ですが、「会社(雇い主)」がすべて代行しますので、特にご自身で計算はする必要はありません。
そこには便宜性というメリットはあると思います。でも、私は、デメリットも生じていると感じています。
要は
すべて天引きされて手取りだけでもらうので、税金等を支払っている実感がない
のではないでしょうか?
そこで、年末に渡される「源泉徴収票」をよくご覧になってください。そこには本来の年収と、そこから引かれている「社会保険料」「所得税」が記載されています。
お~~!
こんなに高いんかい!?
などと改めて実感されるのではないでしょうか?
その実感から、「税金や社会保険料」についての関心をお持ちいただいて、なおかつ今後のご自身(ご家族)の生活設計に役立てていただければと思います。では、次に具体的にどうすればよいかご提案したいと思います。

1年間で自由に使えるお金を把握しよう
非常にざっくりですが、源泉徴収票からご自身の1年間に使える「お金」が見えてきます。
支払金額(いわゆる年収ですね。非課税通勤費は除かれています)- 社会保険料の額 - 所得税額 =A
A-住民税額-固定資産税等の税金=B ※住民税・固定資産税等はご自身でご確認くださいね。
B → 1年間で使えるお金
B-各種保険料・家賃や住宅ローン・お子さんの学費・携帯電話・水道光熱費など固定的にどうしてもかかるお金の1年間の合計=C
【ポイント】Cからできれば1年間で貯めたいお金をあらかじめ引いておくといいですね。
なかなかお金が貯まらな~いという方、ここで貯める予算を組みましょう!!
C- 1年間で貯めたいお金=D
D=1年間で自由に使えるお金(ご自身の裁量でという意味)
D÷12か月=1か月で自由に使えるお金(生活費等)※ここのやりくりはご自身の裁量でなんとかなります。
もし、このお金のやりくりが難しいというときは、前述の保険料・電話代・光熱費等の見直しや節約も必要かもしれませんね。
このように、源泉徴収票とは単なる税金の計算表ではなく、ご自身の人生設計に役立つ情報がつまっております
源泉徴収票を大切にすることは、自分の人生を大切にすることだと 私は思います
藤枝市の女性税理士事務所 野島由美子税理士事務所(藤枝・島田・焼津・静岡)
(藤枝の女性税理士のブログ)