知っておきたい事業承継ストーリー その5

5 親族外への承継 (1)
さて、
事業承継シリーズ第5回目です。
今回は「親族外への承継」その1
ご自身のお身内に後継者がいらっしゃらない場合 例えば役員さんや優秀な若手従業員さんなど、会社に関わりの深い方に会社を譲るというパターンを想定します。
いわゆる 会社が会社を合併や買収する場合、すなわり今はやりのM&Aとは少し要素が異なるので、その話は次回にいたします。
さて、会社に比較的近しい親族外への承継については、親族にお譲りになる場合と異なり、株を贈与する(ただで渡す)のではなく、一般的には「会社の株式を売る」ということが多いと思います。
この場合も
くどいようですが
事業とは経営と財産のかたまり ですので
その後継者さまに上手に
「経営」を譲る
そして
「財産」(株式)を譲り
将来的にも会社を存続させるため、お互いに心をつくす必要があると思います。
◆ 経営の承継をうまく行う方法 (親族外の場合 私見)
基本的には第4回で書いたとおりですが、今回の承継者は親族外ですので、「会社を引き受けてもらう」というスタンスが大事かと思います。
会社を存続させる意義
会社の将来性を共有する
会社を引き受けて、発展させることにより後継者にも得になること
など…
ゆっくり 腹を割って 丁寧に話し合うことが大切だと考えます。
◆ 財産の承継 (親族外の場合 私見)
この場合は、まず株式の贈与(ただであげる)ことはあまり考えられません。一定の金額(お互いの納得のいく金額)で売却することになります。
ただ そうはいっても
売るほうは高く売りたい
買う方は安く買いたい
というのは人情ですので、価格決定など当事者同士ではなかなか折り合わない自体が想定されます。
また、株式の代金を一括で支払うことも、親族外の場合はなかなか難しいでしょう。
その方が社長になって「役員報酬の中から分割払い」なども想定されます。
いずれにしても 適正な株式譲渡契約 を取り交わしておかないと
あとあとトラブルの種にもなり兼ねませんので
この場合にも専門家との連携が必須でしょう。

また、そもそも身近に親族外後継者がいない、などのお悩みもあると思います。その場合「後継者人材バンク」といって自分はこういう事業をやりたいという後継者候補が登録しているところもございます。
ちなみに
静岡県の場合は「静岡県事業引き継ぎ支援センター」(静岡商工会議所内)というところに後継者人材バンクがございます。
後継者をお探しのときなど、一度お問い合わせいただくのもよろしいかと思います。
失礼を承知で申し上げますが
親族外に承継する場合は
ご自身の得ばかりお考えにならないように
「おりあい」が大切だと思います

Photo:北海道 十勝 六花の森 (この川の流れのように 流れるように 承継がすすむといいですね)
藤枝市の女性税理士事務所 野島由美子税理士事務所(藤枝・島田・焼津・静岡)
(藤枝の女性税理士のブログ)